インタビュー

interview

〜第一回〜

映画監督としても活躍中の元祖マルチタレント

愛川欽也さん

現在放送中のドラマ『港 古志郎警視』について

現在BS11で放送中のドラマ『港 古志郎警視』、静かなテンポで見る者を引き込む
「大人の刑事ドラマ」で、映画人・愛川欽也が表現したいものとはなにかお聞きしました。

ドラマ『港 古志郎警視』の見どころはどんなところでしょうか

原点は僕が主演をしていた『東京メグレ警視シリーズ』(1978年・テレビ朝日)ですね。
フランスの小説家ジョルジュ・シムノンの推理小説を日本風にアレンジしたドラマで、登場人物のさまざまな人間模様や心の部分を描くことを大事にした作品でした。
刑事ものといってもさまざまなキャラクターがいるけど、このドラマは「人情刑事」といったらいいかな。
刑事ものによく見られる激しいアクションはなく、あくまでも「人間の心のやり取り」を大事にしたかったところがあります。

愛川欽也さんの作品で一番のテーマとはなんでしょうか

aikawa_4 一番表現したいのは「情感」。恋愛も恨みも殺意も、すべて人間らしい感情からくるものでしょう。
刑事ものを題材にはしていますが、そんな情趣や哀愁を描きたかったんです。
この「情感を描く」というのは、僕が制作に携わったものには一貫してあるテーマなんだけど、近頃の映画やドラマではほとんど消えてしまった感覚かもしれませんよね。

監督・主演・脚本の3役を一人でこなす事は大変ではないでしょうか

なにしろシナリオも話の組み立ても全部僕がしているわけですからね。やっぱり大変ですよ。
映像と音楽は密接な関係にあると思うから、曲も作っちゃうし。
これまで刑事ドラマにはずいぶん携わってきたから、作りやすいし演じやすい題材ではあったけど、1クールの12話ぶんのストーリーを作るのはいろいろ難しいことが多いですね。
さらにそれぞれに登場人物の生活があるから、そのローケーションもひとつずつ作っていくことになるでしょう。
ある程度はスタッフに準備してはもらうけど、最終的にロケハンして決定するのも僕の役目なんです。

 
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